在宅介護を始めてすぐに直面したのが、「おむつの問題」でした。

正直に言うと、ここまで悩むとは思っていませんでした。

サイズが合わない、漏れる、足りなくなる——毎日のことだからこそ、小さなズレが大きな負担になっていきます。

「おむつを替えるだけ」と思っていたのが、実際にやってみると全然違いました。サイズひとつ間違えるだけで夜中に漏れる。枚数が足りなくて外出先で焦る。費用が思った以上にかさんでいく。

この記事では、実際に経験した

  • サイズ選びの難しさ
  • 失敗と、そこから見つけた対策
  • 費用のリアル

をまとめています。これから在宅介護を始める方が、同じ失敗で消耗しなくてすむように。そんな思いで書きました。

※本記事は以下のような状況の家族の体験をもとにしています

  • 急性心筋梗塞後、低酸素脳症・脳梗塞を発症
  • 要介護4/胃ろう/全介助
  • 失語症あり(わずかに発声あり)

在宅介護で最初に悩む「おむつのサイズ選び」

最初につまずいたのは、サイズ選びでした。

介護用おむつはS・M・Lと分かれていますが、「ウエストサイズが合えばOK」という単純なものではありませんでした。

在宅介護が始まってから、体調や食事量の変化で体重が落ち、それまで使っていたサイズが合わなくなりました。

  • 少し大きい → わずかな隙間から横漏れする
  • 小さい → 圧迫感が強くなり、皮膚トラブルの原因になる

どちらも「毎日のこと」として積み重なっていきます。

サイズが合っていないと、交換回数が増えたり、夜間の負担が増えたりと、生活全体に影響が出てきます。また、皮膚トラブルが起きると、そちらのケアも必要になります。

「一度決めたら終わり」ではなく、体の変化に合わせてこまめに見直し続ける——それが在宅介護のおむつとの向き合い方だと、身をもって知りました。

大人用おむつは試せない|買って使って、それしか方法がない現実

もうひとつ困ったのが、「試せない」という壁でした。

赤ちゃん用と違い、大人用おむつにはサンプルがほとんどありません。ドラッグストアに行っても、試着や比較ができるわけではないのです。

そのため、MサイズとLサイズを両方購入して、実際に使い比べるしかありませんでした。

  • 使わなかった分は在庫になる
  • 合わなかった分は無駄になる

それでも「やってみないとわからない」のが現実で、そのロスも含めて準備のコストだと割り切るしかありませんでした。

おむつ選びのポイント(実際に試してわかったこと):

チェック項目確認のポイント
ウエストサイズ指2本が入るくらいのゆとり
足まわり隙間がなく、食い込まないか
吸収量夜間は多めのものを選ぶ
テープの強度交換しやすいか、ズレにくいか
素材皮膚トラブルが起きにくいか

横漏れが続いた日々と、おむつ交換の難しさ

介護を始めた頃は、交換のタイミングもうまくつかめませんでした。

横漏れしてしまう。ズボンが、シーツが汚れる。

特に難しかったのが、

  • 夜間(気づくのがどうしても遅れる)
  • 外出前(タイミングを外すとそのまま出発になる)
  • 体調不良時(排泄のリズムが読めなくなる)

そのたびに着替えて、洗濯して、後片付けして。「気をつけていれば防げたかもしれない」という気持ちが、静かに消耗させていきました。

完璧にできなくて当然なのに、自分を責めてしまう。そういう時期でもありました。

漏れ対策で実際に効果があったアイテム

失敗を重ねながら、少しずつ対策も変わっていきました。実際に「これは助かった」と感じたのは次の3つです。

■ 使い捨て防水シーツ

布団やベッドへのダメージを防ぐために導入しました。汚れても交換するだけで済むので、後片付けの心理的・体力的な負担が大きく減りました。

洗濯の回数が減ったことで、体力的な余裕が生まれたのも大きかったです。


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■ 防水巻きスカート

おむつ交換時や移動時の「もしも」に備えるアイテムです。実際に使う機会がなくても、「これがある」という安心感が、介護の気持ちの余裕につながりました。


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■ 尿取りパッドの併用

おむつ単体ではなく、パッドで吸収量を調整することで、横漏れの回数がぐっと減りました。

「漏れないようにする」だけでなく、「漏れてもダメージを最小限にする」という視点が、在宅介護では特に大切だと感じています。


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デイサービスで困った「おむつの予備不足」

デイサービスに通い始めた頃、持たせたおむつが途中で足りなくなったことがありました。

慌ててドラッグストアに向かったものの、まだ開店前。事情を話すと店員の方が対応してくださり、なんとか間に合いましたが——あのときの焦りは今でも覚えています。

「1〜2枚多め」では全く足りない。それを痛感した出来事でした。

在宅介護では、

  • 体調によって使用枚数が変わる
  • 想定より交換が増えることがある
  • 「少しの余裕」では突発的な変化に対応できない

それ以来、テープ式おむつ・尿取りパッド・防水シートのそれぞれを、常に1パック多めに在庫として持つようにしました。

買いに走らなくていい。それだけで、介護の日常が少し楽になりました。

デイサービスの持ち物チェックリスト(おむつ関連):

✅ テープ式おむつ(予備含めて多めに)
✅ 尿取りパッド(複数枚)
✅ 防水シート(1〜2枚)
✅ 着替え一式
✅ ビニール袋(汚れ物を入れるため)

おむつ代のリアルな費用感

費用面も、無視できません。

わが家の場合は、

  • 在宅介護:月15,000〜20,000円程度
  • 施設介護:月12,000円前後

在宅のほうが高くなりやすいのは、サイズ違いの購入ロスや、多めの予備準備が重なるためです。

「必要な分だけ買えばいい」が通用しないのが在宅介護の現実です。

おむつ代を少しでも抑えるコツ:

  • まとめ買いで単価を下げる(楽天スーパーSALEや5と0のつく日を活用)
  • 合うサイズが決まったら箱買いに切り替える
  • 医療費控除を活用する(後述)

おむつ代は医療費控除の対象になる

在宅介護1年目に、主治医に「おむつ使用証明書」を書いてもらいました。

この証明書があると、おむつ代が医療費控除の対象になります。

毎日使うものだからこそ、年間で見ると金額は大きくなります。その一部でも控除の対象になることで、経済的な負担は確実に軽くなりました。

手続きのポイント:

✅ 主治医に「おむつ使用証明書」を依頼する
✅ おむつの領収書を月別に保管しておく
✅ 確定申告の際に医療費控除として申請する

出費が増えやすい在宅介護だからこそ、こうした制度は早めに確認しておくことをおすすめします。

医療・介護スタッフに任せられるようになって変わったこと

医療・介護スタッフの方々に日常的なケアを担っていただくようになってから、おむつに関する悩みはほとんどなくなりました。

  • サイズ選びをプロに任せられる
  • 在庫管理をしなくていい
  • 突発的な対応が減る

在宅のとき、毎日の一部として抱えていた負担が、「ほとんど意識しなくていいもの」に変わりました。

「おむつのことを考えなくていい」——それが、これほど大きな安心感につながるとは、介護を経験するまで想像もしていませんでした。

まとめ

在宅介護でのおむつ管理は、やってみて初めてわかることの連続でした。

サイズ選び、交換のタイミング、予備の準備。どれも教科書通りにはいきません。

特に意識しておくと負担が変わると感じたのは、この3点です。

  • 体型の変化に合わせてこまめにサイズを見直す
  • 外出時・デイサービスには「多すぎるくらい」の予備を
  • 漏れることを前提に、環境ごと整える

そして忘れがちですが、おむつ購入費は医療費控除の対象になります。領収書と「おむつ使用証明書」はしっかり保管しておいてください。

最初から完璧にできなくて大丈夫です。失敗しながら、「その人に合う形」を少しずつ見つけていく——それが、長く続けるための一番の近道だと、今は思っています。

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