夫が急性心筋梗塞で倒れ、回復期のリハビリ病院に入院していたとき、医師から「症状固定」の診断を受けました。退院後に少しでもスムーズに支援を受けられるよう、すぐに身体障害者手帳の申請を決めました。

ところが、申請用の診断書をお願いしてから受け取るまでになんと2ヶ月。病院には指定医が1名しかおらず、順番待ちだったのです。書類を提出してからさらに審査の時間がかかり、実際に手帳を受け取れたのは症状固定から約7ヶ月後でした。

「もっと早く動き出していれば…」と思った場面が、取得後にいくつもありました。

この記事では、身体障害者手帳の申請から取得までの実体験と、取得後に使えるようになった支援制度をまとめます。これから申請を考えている方の参考になれば嬉しいです。

※この記事はわが家の実体験をもとにしています。申請の流れや支援内容はお住まいの自治体によって異なります。

この記事でわかること

  • 身体障害者手帳の申請から取得までにかかる期間の目安
  • 申請タイミングが遅れると間に合わない制度がある理由
  • 取得後に使えるようになった支援制度
  • 早めに動き出すことをおすすめする理由

夫が取得したのは身体障害者手帳1級(上肢・下肢)

夫は申請の結果、身体障害者手帳1級(上肢・下肢)が認定されました。

1級は最も重度の区分で、日常生活において常時介護が必要な状態が対象となります。取得後はさまざまな支援制度が使えるようになりましたが、取得までの道のりは思っていたより長いものでした。

申請から取得まで7ヶ月かかった理由

身体障害者手帳の申請には、指定医による診断書が必要です。この診断書の取得に、わが家では2ヶ月かかりました。

時間がかかった主な理由:

  • 病院に指定医が1名しかおらず、順番待ちが発生した
  • 指定医の診察スケジュールが限られていた
  • 診断書の内容が詳細なため、作成に時間がかかった

診断書を提出してからも審査期間があり、手帳が手元に届いたのは症状固定の診断から約7ヶ月後でした。

申請の大まかな流れ:

ステップ内容わが家の期間
① 症状固定の診断主治医が症状固定を確認入院中
② 指定医の診察・診断書作成指定医に依頼・順番待ち約2ヶ月
③ 書類提出市区町村の窓口へ提出提出後
④ 審査・認定都道府県による審査数ヶ月
⑤ 手帳交付市区町村から手帳が届く計約7ヶ月

⚠️ 期間はお住まいの自治体・病院の状況によって大きく異なります。あくまでもわが家の実例としてご参考ください。

取得が遅れると間に合わない制度がある

手帳の取得に7ヶ月かかったことで、実際に「間に合わなかった」と感じた場面がありました。

在宅介護中におむつ代の助成制度を申請しようとしたとき、手帳の取得が前提条件になっていました。手帳がもっと早く手元に届いていれば、在宅介護が始まったタイミングから助成を受けられた可能性がありました。

制度の申請には手帳が必要なものが多く、手帳を持っていないと申請すらできない制度があります。「取得してから考えよう」ではなく、できるだけ早めに動き出すことが大切だと実感しました。

手帳取得後に使えるようになった支援制度

手帳を取得したことで、さまざまな支援が受けられるようになりました。

重度心身障がい者医療費助成制度

手帳取得後に最もありがたかったのが、この制度です。

健康保険証を使って医療機関を受診したとき、自己負担額の一部が助成されます。申請当時は前年度に所得があったため対象になるか不安でしたが、初年度から対象と認定され、医療費の自己負担分が戻ってきたときには心からホッとしました。

在宅での通院や投薬が続く中、医療費の負担が軽くなることは家計への大きな助けになっています。

⚠️ 所得制限・助成内容はお住まいの自治体によって異なります。

NHK放送受信料の減額

自宅療養の時間が長い中、固定費が少しでも減るのはありがたいことです。

身体障害者手帳1・2級の方がいる世帯では、NHK受信料が減額(半額または全額免除)になる場合があります。申請は市区町村の窓口またはNHKへの届け出で手続きできます。

⚠️ 減額の条件・手続き方法はNHKまたはお住まいの自治体にご確認ください。

自動車税・軽自動車税の減免

夫は運転できない状態ですが、家族が介護のために使っている車も対象になりました。

身体障害者手帳を持つ方が乗車または乗降のために使用する自動車は、自動車税・軽自動車税の減免が受けられる場合があります。1台に限り対象となることが多く、毎年申請が必要です。

「自分が運転できなくても対象になるんだ」と知ったときは驚きました。

⚠️ 減免の条件・申請方法はお住まいの都道府県・市区町村にご確認ください。

そのほかに使えるようになった支援

手帳を持つことで、以下のような支援も受けられるようになりました。自治体によって内容が異なるため、窓口で確認することをおすすめします。

  • 特別障害者手当(在宅で特別な介護が必要な方への手当)
  • おむつ代助成(重度障害者向けの消耗品助成)
  • 各種公共料金の割引
  • 公共交通機関の運賃割引

身体障害者手帳の申請は早めに動き出すことが大切

手帳の申請から取得までは、思っていたよりも時間がかかります。特に以下の点に注意が必要です。

① 指定医の確認を早めにする 診断書を書ける指定医は病院によって限られています。入院中の病院に指定医がいるか、順番待ちがあるかを早めに確認しておくことをおすすめします。

② 症状固定の診断が出たらすぐに動き出す 症状固定の診断が出たタイミングが申請のスタートラインです。「退院してから考えよう」と後回しにすると、その間に使えたはずの制度に間に合わないことがあります。

③ 手帳が必要な制度を事前に把握しておく おむつ代助成・医療費助成など、手帳が前提条件になっている制度を事前にリストアップしておくと、取得後すぐに動けます。

確認したいチェックリスト

✅ 主治医に「症状固定の診断が出るか」を確認する

✅ 入院中の病院に身体障害者手帳の「指定医」がいるか確認する  (指定医が少ない病院では順番待ちが発生する場合がある)

✅ 指定医に診断書の作成を早めに依頼する  (作成に数週間〜2ヶ月以上かかる場合がある)

✅ 診断書が揃ったら速やかに市区町村の窓口へ提出する

✅ 手帳取得後に申請できる制度を事前にリストアップしておく  (医療費助成・おむつ代助成・NHK受信料・自動車税減免など)

✅ 手帳取得後、各制度の申請窓口に順番に相談する

さいごに

手帳を取得したことで、金銭的な支援だけでなく「社会全体で支えてくれているんだな」と感じられるようになりました。

制度のことはまだひとつひとつ調べながらですが、「使える制度はありがたく活用しよう」と思えるようになってきました。

これから申請を考えている方には、「症状固定の診断が出たらできるだけ早めに動き出してほしい」とお伝えしたいです。時間がかかることを前提に、早めに準備を始めることが、後悔の少ない選択につながると思います。

この記事が、同じ状況で悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。

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