介護保険

介護保険の申請はいつがベスト?申請してみて後悔したこと

〜私が申請してから気づいたこと〜

夫が急性心筋梗塞で倒れたのは、ある日突然のことでした。
奇跡的に命は助かりましたが、意識が戻るまでに2週間以上かかり、病室での日々は祈ることしかできませんでした。

入院中は経鼻栄養での対応となり、
「チューブは2週間ごとに交換が必要です」と医師から説明がありました。
そのせいか、回復期リハビリの病院に転院するのも難航…
「胃ろうにすれば受け入れてもらいやすいかもしれません」と提案を受け、悩みに悩みました。

でも、経鼻チューブと違い、口が自由になることで
✔️ことばの練習
✔️食べる練習
もできると聞き、前向きに考えることに。

とはいえ、受け入れてくれる病院が見つからず…
「市内は全滅です」と聞かされたときは、正直、途方にくれました。

「介護認定を受けてみませんか?」

そんなとき、ケースワーカーさんから言われたのが
「介護認定を持っていれば、転院先が見つかりやすくなるかもしれません」というひと言。

当時、まだ夫は60代前半。
「介護保険なんて、もっと高齢になってから使うものじゃないの?」
と思いつつも、専門家の勧めもあり、申請することに。

病院まで市役所の方が来てくださり、感染対策で家族は同席できず、
ケースワーカーさんが代わりに立ち会ってくれました。

結果は「要介護4」
入院中だったので、介護保険を使うことはまだなかったけれど、
「とりあえず取っておけば安心」と思っていました。

退院後、在宅介護スタート

その後、奇跡的に回復期の病院が見つかり、無事転院。
さらに自宅退院ができて、いよいよ在宅介護が始まりました。

ケアマネさんが丁寧にケアプランを立ててくれて、
必要に応じて医療保険と介護保険を使い分けながら支援を受けることができました。

だけど…予想外の落とし穴

自宅での介護が始まってすぐ、夫のリハビリのために
近くの整形外科で外来リハビリを受けたいと思い、紹介状も用意してもらっていました。

ところが、整形外科ではこう言われたんです。

「介護保険を使っていると、うちではリハビリは受けられません」

…えっ? 介護保険を申請したことで、むしろ制限が出てしまった?!
このとき、初めて「介護保険を申請しなければよかったかも…」という後悔が生まれました。


重度訪問介護も、使えない…?

さらに調べていくと、障害福祉サービスの中で
64歳までなら利用できる「重度訪問介護」などの制度があったことも知りました。

でも、すでに介護認定を受けていると、
「介護が優先」となり、障害福祉のサービスは一部しか申請できないとのこと。

本当は、障害福祉のサービスをうまく活用して
自宅での介護を続けたいと思っていたので、この制限もとてもショックでした。


今だから言えること

当時の私は、介護保険に関する知識も経験もなく、
「すすめられたから」と素直に従うしかありませんでした。

でも今なら、
「介護認定を受けるタイミング」ってとても大事なんだと、心から思います。


まとめ:申請は“今すぐ”が正解とは限らないかも?

介護保険は、確かに便利な制度です。
でも、申請のタイミングによっては受けられる他の制度に影響することもあるかもしれません。

これから申請を考えている方は、
年齢や退院後の生活スタイル、他の制度との兼ね合いをゆっくり整理してから検討されるのも、ひとつの選択肢かもしれません。

わからないことがあったら、役所や病院の相談窓口に聞いてみてくださいね…とお伝えしたいのですが、実際は「相談しても制度の全体像は見えない」「病状の変化でどうなるか誰にもわからない」そんなもどかしさも、たくさん経験しました。

それでも、少しずつ制度を知っていくことで「あとから、あれを調べておけばよかった」と思うことが減るのかな…と今では感じています。

介護保険、障害福祉、医療の制度はそれぞれのルールがあって複雑ですが、「こんな制度があるらしい」とだけでも頭の片隅に置いておくと、後悔の少ない選択につながることもあります。

今つらい状況のなかにいる方が、少しでも安心できる選択ができますように。