「ひとり親って、離婚か死別じゃないとなれないんじゃないの?」

私もそう思っていました。夫が急性心筋梗塞で倒れ、重い後遺症が残り、育児にも家事にも関われなくなったとき、「でも夫は生きている。私はひとり親にはなれないんだ」と思い込んでいました。

訪問看護師さんやケアマネさんに相談しても、

「シングルマザー向けの制度は多いけど…離婚してないなら難しいかもね」

という返答ばかり。

ところが、ある日ネットで「配偶者の障害によるひとり親認定」という事例を見つけ、光が差した気がしました。思い切って市役所へ相談に行ったところ、配偶者の障害を理由にひとり親認定を受けることができたのです。

この記事では、認定までの経緯と、認定後に使えるようになった制度を実体験とともに詳しく解説します。

※認定の可否は世帯の状況・所得・自治体によって異なります。まずはお住まいの窓口にご相談ください。

この記事でわかること

  • 離婚・死別以外でひとり親認定を受けられるケースとは
  • 認定までの手続きの流れ
  • 認定後に使えるようになった制度3つ
  • 将来の自立に向けた給付金制度2つ

離婚していなくてもひとり親認定を受けられるケースがある

「ひとり親」というと離婚・死別のイメージが強いですが、以下のようなケースでも認定を受けられる場合があります。

  • 配偶者が政令で定める重度障害に該当し、長期療養で働けない場合
  • 配偶者が行方不明・拘禁中の場合
  • 配偶者から生活費の支援を受けられない場合

夫は身体障害者手帳1級を取得しており、このケースに該当しました。

⚠️ 認定条件はお住まいの自治体によって異なります。「うちは無理かも」と思っても、まずは窓口で相談してみることをおすすめします。

認定までの流れ|市役所の窓口へ

夫の身体障害者手帳を受け取ったその足で、市役所の子育て支援課へ直行しました。

これまでの経緯を丁寧に伝え、「配偶者の障害でひとり親の申請ができますか?」と相談したところ、窓口の方が調べてくださり…

「小学生のお子さんが対象児童に該当し、配偶者の障害によってひとり親と認定されます」

という回答をいただきました。認定が決まったときは、涙が出るほどホッとしました。

制度を知るには「自分から動く」が基本

ひとり親認定を受けても、使える制度を自動的に案内してもらえるわけではありません。

私は引っ越しを挟んでいたこともあり、制度の情報がうまく引き継がれないこともありました。結局、自分で市役所のHPや窓口で積極的に情報収集することが大切でした。

制度は「申請主義」。知らなければ、誰も教えてくれません。自分から動いたからこそ、得られた情報がたくさんありました。

認定後に使えるようになった制度3つ

1|児童扶養手当

項目内容
申請先市区町村(子育て支援課)
所得制限あり
支給回数年6回(偶数月)

ひとり親家庭の生活を支える手当です。子どもの人数や所得に応じて支給額が決まります。

申請した時点では所得制限に該当していたため、すぐには受給できませんでしたが、申請だけは行いました。その後、条件が変わったことで一部支給が決定しました。

申請してわかったこと:

  • 申請が遅れると支給開始も遅くなる。早めの申請が大切
  • 審査には1ヶ月以上かかる場合がある
  • 毎年8月に「現況届」の提出が必要。提出しないと支給が止まる

⚠️ 現況届は毎年8月頃に案内が届きます。期限内に必ず提出してください。

2|ひとり親家庭等医療費助成制度

項目内容
申請先市区町村(子育て支援課)
所得制限あり
対象保護者と子ども(18歳年度末まで)

健康保険証を使って医療機関を受診したとき、自己負担額の一部が助成される制度です。子どもだけでなく、保護者自身も対象になる場合があります。

区分自己負担の目安
外来月1医療機関あたり1,000円まで
入院食事療養費を除いて助成

夫の介護をしながら自分が体調を崩したとき、「受診できるだろうか」という不安がありました。医療費の負担が減ったことで、体調が心配なときも早めに受診できるようになりました。

申請当初は所得制限で対象外でしたが、所得が下がったタイミングで助成が再開されました。対象外でも翌年度に再確認することをおすすめします。

⚠️ 助成内容・自己負担額はお住まいの自治体によって異なります。

3|ひとり親家庭等日常生活支援事業

項目内容
申請先市区町村(子育て支援課)
対象母子・父子・寡婦家庭

急な環境の変化などで日常生活に支障が出たときに、支援員の派遣やファミリーサポートセンターの利用料補助などを受けられる制度です。

私はまだ実際に利用したことはありませんが、「いざというとき使える」という安心感のために申請だけ済ませました。体調不良で動けなくなったときや、緊急の用事が入ったときの備えとして、申請しておくことをおすすめします。

将来の自立に向けた給付金制度2つ

1|ひとり親家庭自立支援教育訓練給付金

「いつか子どもたちの手が離れたら手に職をつけたい」そう思っていた私にとって、心強い制度です。

ひとり親家庭の親が就職につながる講座を修了した場合に、経費の一部(最大20万円)が支給されます。通信講座や短期間の講座も対象になるケースがあるため、今の生活に合わせて検討しやすいのが魅力です。

対象講座の例:医療事務・簿記・介護職員初任者研修・保育士など

※利用には事前相談が必要です。講座開始前に市区町村の窓口に相談してください。

2|ひとり親家庭高等職業訓練促進給付金

国家資格などを目指す方向けの長期支援制度です。1年以上の養成機関に通う間、毎月の生活費として給付金が支給され、修了時には修了支援給付金も受け取れます。

対象資格の例:看護師・保育士・介護福祉士・理学療法士・社会福祉士など

通信制の学校もあるため、在宅介護と子育てを両立しながら資格取得を目指すことも可能です。

※就学前に申請が必要です。入学後の申請は対象外になる場合があります。必ず事前に窓口で確認してください。

確認したいチェックリスト

✅ 配偶者の障害でひとり親認定が受けられるか、子育て支援課に相談する

✅ 身体障害者手帳の取得後、速やかに子育て支援課へ相談する

✅ 児童扶養手当は所得制限で対象外でもまず申請しておく

✅ 毎年8月頃に届く「現況届」を期限内に提出する

✅ 医療費助成制度は保護者自身も対象になるか確認する

✅ 所得制限で対象外になっても翌年度に再確認する

✅ 日常生活支援事業はいざというときのために申請だけでも済ませておく

✅ 将来の資格取得・就労に向けて給付金制度を事前に調べておく

さいごに

「夫が生きているから私はひとり親にはなれない」そう思い込んでいた私が、配偶者の障害によってひとり親認定を受けられたことは、大きな転機でした。

制度は「知っているか、知らないか」で大きく変わります。「どうせ対象外」と諦める前に、まずは窓口に相談してみてください。

この記事が、同じ状況で悩んでいる方の一歩を後押しできれば嬉しいです。

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